あさひかわ産品ファクトリーツアー
2014年1月、「あさひかわ産品ファクトリーツアー」なるものを体験取材してきました。
これは旭川市経済観光部産業振興課で企画したツアーです。このツアーの趣旨は、地元
でつくられているもののよさを市民で共有し、愛着を持って全国に発信するきっかけと
なるよう、次世代を担う旭川の20名の小中学生が、ものづくりの現場を実際に見て体験
してもらうということでした。今回のツアーは北の嵐山がその場所に選ばれ、「染あとりえ草創」「大雪窯」「淳工房」さん
の3件で体験教室をおこなうことになりました。
さて、この盛沢山なメニューを小中学生がどんなふうに体験してきたか、そして各工房の
体験メニューがどんなものだったのかみてみましょう。ちなみにうちの編集スタッフも飛び入りさせてもらいました!ありがとうございました。
藍の絞り染めにチャレンジ
染あとりえ草創さんでは藍で染める「絞り染め」を体験させてもらうことになりました。
まず手渡された布を折り紙のようにたたんでいきます。このたたみ方次第ででき上がりの柄が異なってきます。
そしてこの布を輪ゴムで縛っていきます。またまた、この輪ゴムの本数、場所、縛る強さなどで柄が決まってくるわけです。不器用な私なんか二度と同じものが作れる気がしないのですが、これは長年の経験と勘によるしかないのでしょうね。
ここで縛った布を藍の汁につけてもみます。ここで染料が布に浸透してくるんです。さっきの折り方と縛り方で、染料が入って来ない部分が後の柄になるっていうことがわかります。
もんだ後に水洗いすると、なんということでしょう!
もう柄が出てきました。
これには子供たちも大喜び。次々に広げて見せてくれ
ました。
できあがった手ぬぐいは乾かして持ち帰ることができ
ます。あっという間に自分だけの工芸品ができました。
体験教室にもいろいろありますが、今回の染物はその日に持ち帰ることができるものでした。
草創さんはご夫妻で創作活動をしている工房ですが、仲の良いお二人の丁寧なご指導のおかげで、染物が身近になりました。
JALの国際線機内誌にもお店が掲載されたとのことですので探してみては?
※体験教室の詳細は染あとりえ草創(TEL:0166-52-9945)まで
手びねりにチャレンジ
大雪窯さんでは指先の感覚が大事な「手びねり」を体験させてもらうことになりました。
まずは作品がずらりと並んだギャラリーを見学させてもらいました。どの作品もきれいで素敵なものばかり。走っちゃダメだよ?子どもたちは何周もギャラリーをくるくる。
そしてこの作品が仕上がるまでの工程を教えてもらいました。
見せてくれたのは焼く前と焼いた後の作品。あれ?小さくなってる?!と、子どもたちも興味津々。色をつける際は釉薬を用います。粘土の塊が配られ、さぁいよいよ体験です。まずは作るものを決めます。マグカップ・湯のみ・お茶碗などを作りたい人は、クルクル回る土台の中心に土を乗せ土台にピッタリつけて、土の中心に両親指で少しずつ押して、くぼませながら形にしていきます。
お皿を作りたい人は、平たい板と板の間に粘土を置き木の棒で平らにしていきます。平たい板が両側にあることで均等な厚みにすることができるのですね。
あとは好きな模様のスタンプを押したり、ちょっとおしゃれにアレンジしたり。お母さんたちも真剣です!
出来上がった作品の裏にはみんなで旭川の『旭』の文字と名前を入れました。
1ヶ月後、お家に届くのが待ち遠しいですね!
つくりたいものを形にしてくれる大雪窯さんの優しいご指導のもと無事に作り上げることができました。その優しさに、ついつい甘えてしまう体験となりました。
※体験教室の詳細は大雪窯(TEL:0166-51-1972)まで
妖艶な光放つガラスにチャレンジ
淳工房さんでの体験レポートは以前にもしましたが、この日の体験メニューは前回とは異なり、「ガラスの文鎮」づくりを体験させてもらうことになりました。
淳工房のガラス職人のひとり堀井さんが炉からポンテ竿(ガラスを巻きつける鉄棒)を取り出すと、その先端には紅に光る水あめ状のガラスがぬらぬらと巻きついています。さわると危険なんてものではないのですが、さわりたくなる衝動にかられるほど魅惑的な妖しい光と不純のない滑らかさなのです。
これを金属製の型枠へ流し込みます。恐る恐るこのガラスだまりに装飾用のこてを押しつけます。ガラスが冷えて来るとこての模様がガラスに刻まれるというわけです。見てるとなんだか、たこ焼き器にみえてきましたが、そんな事を思ってたのは私だけですか?
ガラスをゆっくりと別の窯で冷やしますが、この冷やしの工程だけでも1日はかかるそうです。
このあと淳工房さんでは、グラス作成の実演もしていただきました。炉から出して、作業台で回しながら成形します。ものの10分を早いととらえるか、手間のかかるものととらえるか、同じプロダクトでありながら工業製品とは全く次元の違うものだと気付きます。
そしてさらに吹きガラスまで体験させていただきましたよ。
淳工房さんに問い合わせいただければ、どのような体験メニューがよいか相談にのってもらえると思います。
みなさんもぜひ!
※体験教室の詳細は淳工房(TEL:0166-53-8512)まで